清友監査法人 SEIYU AUDIT CORP.

COLUMNコラム

監査と税務

清友監査法人の中尾です。

今年も、もう半分過ぎようとしています。時の流れの速さに少々あせりを感じている今日この頃です。

私は清友監査法人に入所して約1年が経ちますが、それ以前は会計事務所に5年ほど勤めておりました。
現在は監査業務を中心に行っておりますが、会計事務所では主に税務業務を行っていました。

今回はそれぞれの業務を通じて感じた監査と税務の違いについて、ご紹介させていただこうと思います。

まず、監査と税務を簡単に説明すると次の通りです。

監査 税務
公認会計士の独占業務であり、企業が作成した財務書類の適正性を確かめる 税理士の独占業務であり、税務代理、税務書類の作成、税務相談を行う


私は会計事務所では税務書類の作成、会計帳簿の記帳代行、財務書類の作成、給与計算などの経理業務全般に携わっていました。
その際にクライアントから求められていたことは大きく分けて2つあると感じていました。

クライアントからの要望 主な内容
税金に関すること  ・法人の節税
 ・個人の節税
 ・相続税対策  など
経営に関すること  ・次世代への事業承継
 ・経理業務の自計化推進
 ・決算分析を通じた将来への会社経営のアドバイス など

これらのことを解決するために経営者や経理担当者の方々と打ち合わせをしてアドバイスを行い、1年を通して経営のサポートを行ってきました。

しかし監査ではこれらのことは行えません。

監査とは独立した第三者として「企業が作成した財務書類の適正性を確かめる」ことであり、記帳代行や財務書類の作成を監査法人が請け負ってしまうと、
自分たちが作成した書類を自分たちで確かめるという、いわゆる自己監査になってしまい、監査の意味がなくなってしまうからです。

上記のように、監査と税務では同じ会計に携わる業務ではありますが、立場の異なる業務を行っています。

監査業務の中で会計帳簿を見ていますと、会計事務所時代に見ていた視点とは異なった視点から会計帳簿を見ることになりますので、新しい気付きなどが出てきます。

 例)売上の場合
 売上の架空計上が行われていないかなどを確かめるために以下のような監査手続を行う。
 ・売上を計上するまでの流れをクライアントの担当者に確認
 ・請求書などの計上根拠資料を実際に見て確認
 ・会社内部の資料だけでなく取引先へ残高を問い合わせ、外部から資料を入手し確認


このような監査手続は税務業務ではあまり行われないため、会計事務所時代とは異なる視点から会計帳簿を見ることができるようになりました。

一方で、まだ監査業務に携わってから1年弱ではありますが、税務業務を行っていたことで、財務書類を作成する立場を経験したからこそ見えてくる点もあると感じています。

監査を行う上で複数の視点を持つことは大切なことだと思っておりますので、税務業務の経験も活かしつつ、これからも複数の視点から監査を行うように取り組んでゆきます。