監査のいろは
皆様こんにちは。
さて、今回のコラムは、「監査のいろは」についてです。
監査の英訳は「Audit」(オーディット)であり、語源はラテン語の「auditus」(聴くこと)といわれています。
同じ語源でなじみの単語として「audio」(オーディオ)をイメージすれば分かりやすいのではないでしょうか。
すなわち、監査は「聴く」ことが基本とされており、これが「監査のいろは」といえます。
単なる「聞く」ではなく「聴く」です。「聴く」とは、注意して耳にとめる、傾聴する、ことです。
ここに、公認会計士が実施する監査とは、主に財務諸表等の会計監査を指しています。
企業は、投資家に経営内容を伝えるために財務情報を情報公開(ディスクロージャー)します。この公開された情報についての適正性を検証し、判断した結果を報告することを監査と言います。
監査の結果は監査報告書として企業に提出されます。
監査の大まかな流れとしては、まず予備調査を実施し監査契約の受嘱の可否を判断、監査計画の立案、監査手続の実施、監査意見の形成、監査意見の表明、といったフェーズで構成されます。
各フェーズでの検討・判断過程はすべて監査調書に記録・保管されます。
これらの検討・判断過程のすべてにおいて登場する作業が「聴く」ことです。
契約時や監査計画の立案時には経営者に会って経営に関するあらゆる話を「聴き」、経営者を監査する立場にある監査役等にも会って、ガバナンスに関することを「聴き」、意見交換します。
監査手続の実施時には会計帳簿や社内資料などの書類に向かって黙々とチェックをすることも多いですが、その場合でも帳簿の数字がその数値としてどのような過程を経て表われたかを、書類作成の実務担当者へ「聴き」ます。
すなわち、会計監査は財務諸表等へ表われた数字に対して「聴く」ことなのです。
監査は、書類に対して黙々と向き合って作業をしているイメージかもしれませんが、数字などに対して「聴く」ことが「監査のいろは」であるとともに、最も大切とされている業務です。
なんか、某筋肉芸人の、筋肉に「聴く」みたいになってきましたが、似た感じです(笑)。
今回の話は以上となります。いかがでしたでしょうか。
朝晩の冷え込みも少しずつ感じる季節となりましたが、体調を崩されませんようお過ごしください。
清友監査法人 田尾